life of Mentawai in Sibert island ⑤

完全な採集狩猟民族のメンタワイ族は
財産であるジャングルを破壊する農耕は
教えても絶対にしない(当時は)
※私達が持参したものを一緒に食べたり使ったりはする

ある日男衆が山で狩りをするのに連れて行ってもらった
(女衆は行かない)

獲物は鹿や猿
ど素人連れの大所帯で
鹿は無理だろうだけど
猿は獲れるかもしれないと

うぅぅ〜ん猿か…

うまく説明できないけど
霊長類は抵抗ある

動物が動き出す
夜明け前に狩りをするので
毒矢の準備をして
前の日からジャングルの中で
野宿することになった

UMAから何時間か
険しい道なき道を歩いて
密林の奥地へ

当時8歳のサダカンが
私に先に行けと促したり
ちょっと待てと先に行って
確認した後について来させるなど
常に見極めながら
前に後ろについてくれた

2mほどよじ登るところでは
私を待たせ
自分が先に登り
上から手を差し出す

いやいや
いくらなんでもそれは無理やろ
私を引っ張り上げるより
私が引きずり下ろしてまうがな

とはいえ助けてもらいながら登ったんだけどね

そんなこんなでやっとこさ
ほどよい場所を見つけて
周りの草を刈り野宿の準備
食事とかどうしたのか覚えてない
蚊に刺されたくなくて
(かゆいの嫌。特に寝てる時に起こされるのん。)
ズボンの裾を靴下の中にいれ
長袖パーカーのフードをかぶって紐を締め
出来る限りの防御をしたのは覚えてる

ちなみに蚊に刺されるのは夕方ぐらいで
夜はあまり刺されないけど
滞在中はがっつり防御したな

もうひとつちなみに
マラリアの予防接種も薬も摂らなかった
特にこだわりがあったわけではなく
ただ単に気にしてなかった
旅も半ばにさしかかった頃
ところでマラリアの薬は飲んだ?
ってガイドがみんなに聞いてきた

マラリアで死んじゃった人がいるんだよねー
えっ?! 今さら?!ヤバいん?!
どうしようもないねんから
もう言わんでええがな

話は戻って
翌朝まだ空が暗いうちに起き出し
ササッと荷物をまとめて
いざ!狩りへ!

遠くに近くに鳥や獣の声が聞こえるが
やはりこんな素人集団では
狩れるほど動物に近づけない

空が明るくなりだした頃
ラウラウ・パパは
少し待っておくように言って
メンタワイの男衆だけで
密林の中に消えて行った

しばらくして戻ったけれど
時すでに遅しで獲物は獲れず

なので
猿を捌いたり
食ったりせずに済んだ

今なら食えるだろうか…
うぅーん
やっぱりご遠慮申し上げるかもな

UMAに帰って
お母ちゃんに怒られた
かどうかは知らないけど
獲れないことを願ってごめんね
と思いながら内心ほっとして
サダカンと果物を採ったり
のほほんと過ごしたのである

メンタワイに
弓矢や刃物はあるが
私の知る限り武器はない

小さなケンカぐらいあるだろうけど
殺傷沙汰はない

自然と人々は調和して生きている

数種の植物を
擦ったり
絞ったりして
毒を作り
それを矢の先に塗る
矢とナイフをもって
いざ!出陣!
 
ちなみに
時々登場するこの人は
ラウラウ・パパの妹と
一緒になった義弟
今日はここで野宿するぞ〜
と切り拓き出したラウラウ・パパ
ヤワな私達のために
簡易の屋根と蚊帳を
即席で作ってくれた
猿が獲れていたらこんな感じ
いやぁ、やっぱ無理っしょ!